▽申し訳ない。自分に腹が立つ
　決して、悪い内容ではなかったが…。６月１１日のオリックス戦
以来の先発となった大竹は、２発に泣いた。「申し訳ないし、
（自分自身に）腹が立つ」。悔しさを押し殺すように発した。
　「リラックスして、力みもなく試合に入っていた」と
小林投手コーチ。出足から力のある球で押す、大竹らしい投球
だった。しかし二回、簡単に二死をとった後だった。
亀井に投じた２球目が真ん中へ。センターへ本塁打を運ばれた。
　三回には一死二塁から小笠原。外角いっぱいに際どく
投げ込んだが、左翼席にはじき返された。連打も許さず、
大崩れもなかったが、４回７７球、３失点で降板。
被弾の２球だけが悔やまれた。「先発で投げている以上、
長い回を投げないと…。中継ぎの人に迷惑を掛けた」と沈む。
　永川が２軍落ちしていた間、抑えとして３試合に登板。
この日がローテ復帰のマウンドだった。
調整法の違い、気持ちの切り替え…。
「そんな中でもやっていかないといけない」と
自分に厳しい一面をのぞかせる。
　「先発から抑えと大変だったと思うが、前向きに取り組んで
くれた。いいボールを持っているんだから、いいところに
決まれば打たれない」と小林コーチ。首脳陣の信頼は
揺らいでいない。
次戦こそ、大竹の真価が問われるマウンドになろう。

▽強気投球　空回り
　急造ストッパーが、マウンドに立った。
敗色濃厚の八回、試運転の意味を込めて登板した大竹は
被安打２の２失点。「点を取られたら駄目です」。久しぶりの
抑え役は空回りに終わる。スピードガンだけが今後の可能性を
示した。最速は１５２キロだった。
　真っ向勝負。この日投じた２３球中、２２球がストレートという
ところが強気の表れだった。一死から井端、福留の連打などで
満塁とされ、森野に左犠飛。失策も絡み、２点を失った。
「球速ではなく、結果が大事だった」。
試合後、悔しそうな表情を見せた。
　永川が３軍調整を直訴するというチームの緊急事態。
「抑えは球に力と切れがある投手」というブラウン監督の
方針の下、代役を託された。
期間は球宴前までの２週間がめどとなる。
「抑えるだけ」。短い言葉で決意を語る。
　２００４年に１７セーブを挙げた時も、永川の代わりだった。
重圧のかかる仕事に加え、右肩に不安もある。小林投手コーチは
言った。「われわれは、彼はやってくれると信じるだけです」。
早くも消えそうな上位進出の鍵を大竹が握る。

　大竹は１１日のオリックス戦で五回途中、６失点降板した後、
「メンタル的に疲れているのでリフレッシュさせる」
（ブラウン監督）という方針で以後の登板を回避。
この間は本格的なキャッチボールもしていない。

　石井雅也トレーナーは「体が非常に疲れている。
肩も含め、もう一度つくり直すということです」と話した。
今後は３軍で調整する。